目的・概要

目的

内閣府 戦略的イノベーション創造プログラムのプロジェクト「統合型ヘルスケアシステムの構築」におけるサブ課題D「デジタルツインのための先進的医療情報システム基盤の開発」では、医療デジタルツインを活用したソリューションの実現に向け、電子カルテ・部門システム等に蓄積された医療データを、ベンダー・システムの垣根を越えて収集・統合するための基盤・技術を開発します。

テーマD-1「医療機関・ベンダー・システムの垣根を超えた医療データ基盤構築による組織横断的な医療情報収集の実現」では、医療デジタルツインの生成のために臨床現場から構造化した標準データを収集します。また、解析結果を臨床現場に還元するために必要IT基盤を構築します。

デジタルツインとは、「現実世界(物理空間)の情報をデジタル化し、仮想空間(デジタル空間)上に再現したモデル」のことです。

概要

FHIR(Fast Healthcare Interoperability Resources)で標準化した多くの種類の臨床データによるデジタルツインの構築、臨床現場の意思決定支援に資する情報を還元するシステムの社会実装を実施します。具体的には以下4つの研究開発項目に取り組みます。

  1. FHIR標準化した多種類医療データの生成
  2. デジタルツインからの診療支援情報の提供
  3. 日々のレセプトデータによる医療動態解析基盤の開発
  4. 次世代医療基盤法に基づく匿名加工事業者を経由したデジタルツインへのデータ投入

それぞれの機能を電子カルテの主要ベンダーと共同開発し、製品へ組み込み、販売することによって普及を目指します。

達成目標

  1. ~2023
    2023年度末までに、構造的に医療データを収集し、FHIR規格に準拠した標準化された形式で統合するための要素技術の設計、仕様決定、プロトタイプ開発を完了します。
  2. ~2024
    2024年度末までに、開発された要素技術を結合し、既存電子カルテシステムとレセプトシステムから実データが試験的に収集でき、データが統合された形でクラウド上のデジタルツインに投入される環境を構築します。
  3. ~2025
    2025年度末までに、循環器疾患等の重要な臨床領域について、5病院以上でデジタルツイン構築のための医療データプラットフォームを構築します。
  4. ~2027
    2027年度までに構造的医療データ収集・統合技術基盤と自然言語処理技術基盤を電子カルテ主要ベンダー4社以上が活用し、それぞれの製品に組み込む事業化を行います。また、それぞれのベンダーあわせて約15病院でデジタルツインに医療データが投入され、活用できる状況を実現します。